フリーランスエンジニア

【体験談】エージェントを使ってフリーランスエンジニアになったら収入が1.5倍になった話

パソコンに向かうシステムエンジニア

エージェントを使ってフリーランスエンジニアに挑戦してみたいけど、自分にもできるのか不安。Webサイトに載っているようなモデルケースじゃなくて、実際はどんな感じなのかを知りたいんだけど…。

こんな悩みにお答えします。

この記事では、会社員を辞めて、実際にエージェントを使ってフリーランスエンジニアになった僕が、フリーランスとして働き始めるまでの全手順をご紹介します。

これからフリーランスエンジニアになってみたい人にとってイメージがしやすいように僕自身の実体験をベースに書いていくので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスエンジニアになった経緯

一歩一歩上を目指す人

具体的な手順に入る前に、僕がどんな背景をもってフリーランスエンジニアを目指したのか、当時のITスキルはどの程度のものだったのかについて軽く触れておこうと思います。

きっかけは転職の失敗

頭を抱えて困っている人

僕が会社員からフリーランスになったのはたまたまで、計画的な転職ではありませんでした。

当時の僕は地方の中小企業でシステムエンジニアとして働いていたのですが、以下のような理由から人生初の転職を考えていました。

  • 仕事・プライベートともにマンネリ化を感じていた
  • もっと収入を増やしたいなと思っていた(当時の年収は310~340万円)

そうして選んだ転職先は、まさかの運送会社。

システムエンジニアを辞めて大型トラックのドライバーになるという、かなり大胆な転職をしたのです。

もともと車の運転が好きでいつか一度はやってみたいと思っていた仕事ではあったのですが、いざやってみるとそれまでと全く違う環境に馴染めず、すぐに逃げるように辞めてしまいました。

あっという間に無職に転落です。このときはさすがに失敗したな…と思いました。

TOM
TOM

フリーランスという可能性を知る

様々な種類のクリエイター

また普通に就職活動をして会社員に戻るという選択肢もあったのですが、どうせ失うものもないのだから、思い切ってフリーランスのシステムエンジニアになってみるのもいいのではないかと考えるようになりました。

一般的には「フリーランス」というと以下のようなイメージが強いと思います。

  • 自分で営業をして仕事を取ってこなければならない
  • 誰にも頼らず、自分一人の力で仕事を完成させなければならない

これだと、ずっと会社員として働いてきた自分にはあまりにハードルが高すぎます…。

でも調べているうちに、契約形態によってはフリーランスであっても会社員とほとんど変わらない働き方ができることを知ったのです。

  • 仕事はエージェントが紹介してくれる
  • 会社員と同じように、他の人と協力して仕事をする
  • 一つの職場に縛られる必要がない
  • 収入は一般的な会社員よりもだいぶ高い

このようにフリーランスとしてのメリットもしっかり享受できるのですから、検討しない手はありませんでした。

フリーランスエンジニアの契約形態の違いについては以下の記事で解説しています。

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当時の僕のITスキル

さまざまなデータを映したスマートフォン

フリーランスエンジニアになった当時の僕のスキルは、お世辞にも高いと言えるものではありませんでした。

転職以前に勤めていた会社での開発経験は6年ほどでしたが、そのうちの半分くらいは

  • 外部設計書の作成
  • バグの原因の調査
  • 開発スケジュールの管理

などの仕事をしていて、業務でプログラムを書いたこともありませんでした。

残りの期間は良い環境で多くのことを勉強させてもらえましたが、それでも僕が身につけることができたスキルは以下のものぐらいだったと思います。

  • 基本的なC#のプログラムなら書ける
  • 基本的なSQLなら書ける
  • オブジェクト指向は何となく理解している
  • MVCなどの設計も何となく理解している
  • Gitを用いたチーム開発を経験している
  • 開発の流れ(要件定義~リリースまで)はだいたい理解している

「何となく」とか「だいたい」という言葉が表しているように、当時の僕の知識はぼんやりしていて、自信をもってアピールできるようなものは何もありませんでした。

こんな状態ではたしてどこまで戦えるのでしょうか…?

フリーランスエンジニアになるまでの全手順

いろいろな可能性をイメージしたフローチャート図

ここからは僕が実際にエージェントを使ってフリーランスエンジニアとして働き始めるまでのステップを紹介していきます。

僕がこのときに利用したのはギークスジョブというエージェントでしたが、他のエージェントを使っても大まかな流れは変わりません。

①:エージェントへの登録

バインダーに閉じたファイル

エージェントサービスのWebサイトから登録を行います。

申し込みフォームでは氏名やメールアドレス、電話番号などの基本情報のほかに

  • システムエンジニアとしての経験年数
  • もっているITスキル
  • 希望する収入の目安
  • いつからフリーランスとして働きたいのか
  • どこ(地域・リモート)で働きたいのか

などの項目を聞かれます。

経験年数やスキルについては後ほど提出するスキルシートに具体的な内容を記載することになるので、この時点では簡単な入力のみ。

申し込みを完了すると2~3分でエージェントから電話がかかってきます。

登録から案件の紹介、その後のサポートまで全て無料で利用できるので安心です。

TOM
TOM

僕のときは申し込みフォームに記入した内容について簡単な確認があり「このご経歴であれば問題なく案件をご紹介できると思うので、担当者との面談を組みましょう」と言われました。

当時の僕は自分のスキルに自信がなく、門前払いを受けることを心配していたので「自分でもフリーランスエンジニアとしてやっていける可能性があるんだ」と一安心したのを覚えています。

②:スキルシートの提出

上昇を表す曲線グラフ

エージェントを利用するにあたっては必ずスキルシートの提出を求められます。

スキルシートは自分のシステムエンジニアとしてのスキルをアピールするための書類で、一般的に以下のような項目を記載します。

  • これまでに携わった案件の内容・規模
  • チーム内での役割(プログラマー・マネージャーなど)
  • 担当した工程(設計・コーディングなど)・期間
  • 使用したツール・言語・フレームワークなど

スキルシートはエージェントがあなたに合った案件を探す際に参考にするだけでなく、クライアントがあなたを採用するかどうかを判断する材料になるものでもあるので真剣に作り込みましょう。

先述したように、僕はけしてシステムエンジニアとしての経験が豊富だったわけではありませんでしたが

  • 少しでも経験した事は余すことなく全て書く
  • 協力してやったことでも自分が主体的にやった体で書く

ということを意識して、それなりに見栄えのするスキルシートを書き上げました。

③:エージェントとの面談

ビジネスの打ち合わせをする男性二人

エージェントと面談を行い、サービスを利用するときの流れの説明やこちらの希望条件の確認など、案件の獲得に向けてのすり合わせを行います。

昔は対面で行うことも多かったようですが、今はリモートで済ませるのが基本です。

面談というと何だか緊張しそうですが、いわゆる採用面接のようなものではないので、携帯ショップにスマホを契約しに行くぐらいの気軽さで臨みましょう。

僕の担当者は30代くらいの男性で、物腰柔らかな感じの話しやすい人でした。

面談の内容は以下のような感じ。

  • サービス内容の詳しい説明
  • サービスへの本登録手続き
  • スキルシートについての質疑応答
  • 希望条件の聞き取り
  • サンプル案件の紹介

メインの話題はどんな案件を狙って活動を進めていくのかを決めるということでした。

僕のスキルシートの内容と希望条件、そして実際の案件内容を見比べながら相談を進め、最終的に以下のような条件で案件を探してもらうことになりました。

  • C#を使ったWindowsアプリ開発
  • 希望報酬は42~47万円(税抜き)
  • 勤務形態はリモートではなく客先常駐

フリーランスエンジニアの案件としてはかなり低めの報酬ですが、当時の僕はとにかく自分のスキルに自信がなかったので、ひとまず報酬が安くてもいいから最初の案件を獲得するということを優先しました。

④:案件探し

ホワイトボードを前にして検討を重ねる人々

いよいよ案件の獲得に向けて動くフェーズですが、基本的にこちらからすることはほとんどありません。

エージェントが面談で話した内容をもとにこちらの希望に合いそうな案件をメールで送ってくれるので、気に入った案件があれば応募するという作業を繰り返します。

就職活動のときみたいに応募先に合わせてエントリーシートなどを用意する必要は一切なく、単にエージェントに応募したい旨を伝えるだけです。

エージェントからは早く案件を決めるためには積極的に数を申し込んだほうがいいと聞いていたので、僕は明らかに自分のスキルに合わなさそうなもの以外はあまり選り好みをせずにどんどん応募をしました。

応募した案件について相手からも気に入ってもらえれば商談に進むことができます。

⑤:クライアントとの商談

リモートミーティングをする人々

エージェントではなくクライアント側の担当者と面談をして、そこで働けそうかどうかを確認するフェーズです。

この商談も最近はリモートで行うことが多いですが、クライアントによっては対面を希望されることもあります。

企業の採用面接に近い感じですが、エージェントの担当者も同席してくれるので、自分一人で臨まなければならない採用面接などと比べると気が楽です。

商談は以下のような流れで進み、だいたい30~40分程度で終わります。

  • クライアントから案件の内容説明
  • こちらから簡単な自己紹介
  • スキルシートに関する質疑応答
  • こちらからの質問タイム

この時点ではまだ報酬に関する話はなく、具体的な金額については商談が終わった後にエージェントを介して決めていくことになります。

僕が実際に複数の商談を経験して感じたこととしては

  • 企業の採用面接のようなお堅い雰囲気はなく普通に会話をする感じ
  • 準備していかないと答えられないような変な質問はされない
  • 技術的な質問もかなり大まかで、あまり深掘りされない

といったところでしょうか。

相手はこちらに関して

  • ごく普通に受け答えができる人であるか
  • 現場で働くのに十分なITスキルをもっているか

ということにしか興味がない感じで、新卒の採用面接でありがちな「自分を動物に例えるなら何ですか?」のような意味不明な質問をされることは一切ありませんでした。

個人的にかなり意外だったのが、技術的な質問も「テーブルを結合するようなSQLは書けますか?」や「C#のLINQはわかりますか?」など、かなりあっさりした感じだったことです。

もっと深掘りされて僕の技術力の低さが白日の下にさらされてしまうことを心配していたので、安心するとともにちょっと拍子抜けしましたね。

TOM
TOM

商談が終わると、2~4日ぐらいでエージェントから結果(採用・不採用)を教えてもらえます。

商談に同席してくれるエージェントの担当者はクライアントからの聞き取りも行っているので、クライアント側からの印象なども含めたフィードバックを行ってくれます。

不採用だった場合はこれを参考に次の商談に臨みましょう。

基本的にクライアントに合わせた準備などは必要ないので、あまり気にせずにどんどん数をこなしていけばOKです。

⑥:単価交渉

積み上げられたお金

クライアント側から採用したいと返事をもらえたら、具体的な契約内容の交渉になります。

とは言っても決めるのは以下の2点ぐらいで、自分でクライアントを相手に交渉するわけではなく、エージェントを介してやり取りを行います。

  • 報酬単価
  • 勤務開始日

報酬に関する交渉はちょっと気まずいので、自分でやる必要がないのはありがたいですよね。

TOM
TOM

ここで合意が成立すれば正式に採用となります。

僕は前に書いたとおり42~47万円(税抜き)の希望報酬で案件を探していたのですが、採用オファーをいただいた企業が当時住んでいた場所からかなり遠かったため、通勤の労力・金銭的負担を考えてちょっと強気の49万円で交渉をお願いしました。

断られても仕方がないかなと思っていたのですが、次の日には承諾をいただき晴れてフリーランスエンジニアとして働けることになりました。

ここで僕の活動の結果をご紹介しておきましょう。

応募数:10件くらい

商談オファー数:4件

商談数:2件

採用:1件

初めてエージェントへの申し込みをした日から約2週間で参画案件が決まりました。

エージェントからは「積極的に応募していれば6割くらいの人が3週間以内に参画案件が決まる」と聞いていましたが、まさかこんなにすぐに決まるとは思っていなかったので驚きましたね。

報酬額も税込みにすると月額539,000円。

もちろんフリーランスは会社員と比べると

  • 社会保険料の負担が大きい
  • 個人事業税がかかる
  • 交通費などは自己負担

など不利な点もあるため単純な比較はできませんが、これらを考慮して手もとに残る金額で考えても会社員時代の1.5倍以上になったことは確実。

フリーランスエンジニアになって初めての仕事としては上々だと思えました。

また、複数の企業から商談オファーをもらえたこと、実際に参画する案件が決まったことで、自分のスキルでもフリーランスエンジニアとしてやっていけることがわかって嬉しかったです。

⑦:契約

握手を交わす男性二人

案件に参画できることが決まったので、各種契約書を交わします。

僕は活動を始める前はてっきりクライアント企業と契約を交わすものだと思っていたのですが、実はそうではなくエージェントとの契約になります。

エージェントがクライアントから請け負った仕事をフリーランスエンジニアに発注する…という形態なんですね。

書類などは全てエージェント側が用意してくれるので、こちらで用意するものは特にありません。

契約に慣れていない個人がいつのまにか自分に不利な契約を結ばされてしまうようなリスクを回避できるのもエージェントを利用するメリットの一つです。

⑧:現場入り

オフィスで働く人々

場合によりますが、出勤初日はエージェントの担当者が現場に同行してくれることが多いです。

現場ではフリーランスだからといって何か特別なことがあるわけではなく、会社員と同じように各種説明を受けてみんなと一緒に働き始めるという感じですね。

初日は退勤後にエージェントの担当者と10分ほど電話をし、現場の様子や、何か困ったことがないかなどを聞かれました。

このように案件が決まって働き始めたあともエージェントの担当者とは定期的にやり取りをする機会があるので、わからないこと、困ったことなどがあればいつでも相談ができます。

⑨:契約更新

古くなったパーツを新しいものに差し替える人

エージェントを利用して準委任契約という形で仕事をすることになると、派遣社員と同じように定期的に契約の更新があります。

多くの場合は以下のような形で契約を更新していきますが、案件によっては2回目以降もずっと1ヶ月更新だったり、逆に6ヶ月の長期更新があったりします。

初回契約:    1ヶ月

2回目以降の契約:3ヶ月

働き始めて2週間ぐらい経つとエージェントから更新を希望するかどうか確認されるので、今の現場で引き続き仕事がしたい場合は更新をお願いしましょう。

初めてフリーランスエンジニアになる人は契約を更新してもらえるか心配かもしれませんが、最初の1ヶ月はあくまで致命的な問題がないかを見るためのお試し期間です。

  • コミュニケーション能力が低すぎてまともに会話ができない
  • 実際のスキルが事前に確認した内容と違いすぎて仕事にならない

のような極端なことがない限りは普通に更新してもらえるので、過度に心配する必要はありません。

無事に更新してもらえたら、あとは同じことの繰り返しです。

これからフリーランスエンジニアになってみたい人へ

目標に向かって進む人

ここまでエージェントを利用してフリーランスエンジニアになる手順を紹介してきましたが、想像していたよりも簡単そうだった、これなら自分にもできそうだと思った…と思った人も多いのではないでしょうか。

僕は別に全てのシステムエンジニアがフリーランスになったほうがいいとは思いません。

高いスキルをもち、年収の高い企業でバリバリ働いているような人はそれでいいと思います。

ただ、最低限のスキルはもっているのに安い給料で使い潰されているような人は、フリーランスになることで会社員とほぼ同じ働き方のまま自由と高収入を獲得できる可能性があります。

エージェントを利用すれば実際に働き始めるまで全ての面倒を無料で見てくれるので、興味のある人は一度相談だけでもしてみることをおすすめします。

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